ネフローゼ症候群という名前を聞いても、あまりピンとこない方も多いのではないでしょうか。
この病気は年間で約1,300人の子どもが発症していて、10万人に5人の割合と言われています。
今回はこのネフローゼ症候群についてまとめていきたいと思います。
ネフローゼ症候群とは
蛋白が尿中に出てしまう「蛋白尿」が続き、多量の蛋白が体から失われることによって、低蛋白血症やむくみが出る病態のことを指します。
多い場合では1日に10~15gのたんぱくが失われてしまうことも…
ネフローゼ症候群は「症候群」と付いている通り、これが正式な病気の名前ではありません。
原因となる病気は別にあり、その結果「ネフローゼ症候群が起こされている」状態です。
かかりやすい年齢や性別
2~6歳に発症することが多く、男の子の割合が高いのが特徴です。
ただ、私の子供は17歳で発症しましたので、一概に小さな子供にだけ発症するとは言えないようです。
どんな症状がでるの?
元気がなく、まぶたや顔全体がむくんで腫れぼったい感じから始まり、次第に全身に広がっていきます。
胸やお腹にも水がたまり、食欲不振や嘔吐、下痢といった消化器系の症状や、呼吸困難や多呼吸といった呼吸器系の症状が現れます。
他にも水がたまることによって、短期間で体重が急に増える、尿の出が悪いといったことも。
小児ネフローゼ症候群の原因は?
子どもの場合、原因の大半は「微小変化型ネフローゼ症候群」であると言われています。また難しい言葉が出てきましたね…
→微小変化型ネフローゼ症候群とは…
- 血尿が軽度、もしくは認められない状態
- 大量の蛋白尿
- 糸球体の病変は軽いため、将来的に腎機能が悪化する可能性が低い
しかし度々再発したり、ステロイド依存症になることもあるので注意が必要です。
治療方法は?
むくみや尿が出にくいといった症状がある場合は入院、安静を保ちます。
これらの症状が治まったら、適度な運動の許可が降ります。
微小変化型の場合、治療はステロイドの投与。
だいたい2~3週間で尿の中のたんぱくが減り、病気が良くなっていきますが、量を減らしながら半年ほど投与を続けることが多いようです。
しかし4週間以上投与しても効果が現れないことがある場合も。(ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群)
重症のネフローゼが続くと腎不全に進行する可能性が高くなるため注意が必要です。
このステロイドが効きにくいタイプは、先程の「微小変化型ネフローゼ症候群」のほかにも「メサンギウム増殖性糸球体腎炎」や「単状糸球体硬化症」があげられます。
その場合は、ステロイド剤のほかに免疫抑制剤など、大人と同じ薬で治療していくことになります。
ステロイドってなに?
副腎という、腎臓の上端にある部分から作られるホルモンの1つです。
炎症を抑えたり、免疫力を抑制したりする働きがあります。
しかし副作用も多く、依存性もあるので使用には注意が必要な薬の一つ。
使用の際や、量の増減をする場合は必ず医師の診断が必要です。
ステロイドについてもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
まとめ

今回は「ネフローゼ症候群について」でした。
私の子供だけではなく、以前勤めていた保育園でも、歳児検診の尿検査で引っ掛かり、病院で検査をしてきた…という方がいらっしゃいました。
また友だちのお母さんにも、「若い頃はすごく細かったのに太った」という方がいたのですが、実は太ったのではなく全てむくみ、気づいた時には手遅れで2日に一回透析…ということもありました。
むくみの場合、押すと固く跡が残ることが特徴です。
単に太って脂肪がついた場合、脂肪はやわらかいので跡が残りません。
子どもの顔や体が「なんだか最近むくんでいる気がする…」と感じた時は、早めに病院を受診してみてくださいね。
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