かかってしまうと重い後遺症を残してしまうことがある日本脳炎。
一時、ワクチンの使用が中止されましたが、安全性の高いワクチンに切り替え、2011年から定期接種の予防接種となりました。
予防接種というのは、毒性を弱めたり、毒性をなくした病原体を体に入れて免疫を作るというもの。
そのため人によっては、副作用として熱や発疹が出る場合も。
そこで今回は日本脳炎の予防接種で副反応が出た時、どのように対処したらいいのかについてお伝えします。
正しい知識を身につけて不安を取り除いていきましょう。
目次
日本脳炎の予防接種にはどんな副反応がある?
日本脳炎の予防接種後の副反応として多く報告されているのが、
- 発熱
- 注射部位の腫れ、赤み、痛み
の2つです。
いずれも接種後3日以内にみられることが多いようです。
発熱に関しては3%~8%の割合で見られると言われています。なので、もし自分のお子さんが発熱したとしても、割と普通なことなので慌てないようにしてください。
その他に稀に報告されている副反応としては、
- けいれん
- 麻痺
- ADEM(アデム:急性散在性脳脊髄炎)
- アナフィラキシーショック
- 関節痛
などもあるようです。
ただ、これらの症状は本当に稀なものですし、実際のところ日本脳炎の予防接種との因果関係ははっきりとしていないので、あまり気にしすぎないことも大事です。
リスクを知ることも大事ですが、それによって受けれる恩恵の方もしっかり見ていくようにしましょう。
副反応が出たときの対処法
よくある副作用としては発熱があるとお伝えしましたが、実際に発熱したらどう対処すれば良いのでしょうか?
まずはどんな症状が出ているのかを確認してください。
- 注射部位が腫れている場合
- 発熱がある場合
- けいれんが出た場合
それぞれの対処法を紹介していきます。
1.注射部位が腫れている
こちらは一番よくある症状ですが、基本は3日以内には自然治癒します。
もし3日以上経っても症状が改善しない場合や、腕の肘下にまで腫れや赤みが広がってしまった場合は、病院で見てもらうようにしてください。
2.発熱がある場合
一般的には3日以内には熱が下がることが多いです。
母乳やミルクで脱水症状などを防ぎつつ自宅で様子をみましょう。3日以上経っても熱が引かない場合は病院を受診するようにしてください。
3.けいれんが出た場合
この場合は、なるべくすぐに病院に連れて行くようにしてください。
夜にけいれんが出てしまったときは、多少遠くても夜間診療のやっている病院にすぐ連れていきましょう。
病院を受診する場合は何科に行けばいい?
病院に連れて行く際に、症状によっては何科を受診すれば分からなくなることも多いかと思います。
ですが、子供の病気の場合はとりあえず小児科を受診しておけば間違いありません。
小児科であれば、その部位だけじゃなく総合的に診断してくれるので他の部位に問題があった際にも見つけてもらえやすいです。
私の息子も腎臓の病気でしたが、腎臓内科ではなく小児科の先生に治療してもらったことがあります。それぐらい小児科というのはオールマイティなので、迷ったら小児科と覚えておきましょう。
予防接種の副作用で発熱した場合、医療費はどうなる?
予防接種を受けて副反応が出たり後遺症が残ったりした場合、その治療費に対して各自治体が援助してくれる場合があります。
援助を受ける場合、自治体に申請書類を書いて出す必要があるので、副反応の治療をした際には一度自分の住む町の市役所に問い合わせをしてみてください。
ワクチンを打たずに日本脳炎が発症するとどうなる?
日本脳炎には、治療薬や治療方法がありません。
発症すると高熱や頭痛、めまい、吐き気などが起こります。
その他、重度なものになると、光線過敏(光に過剰に反応してしまうこと)や筋剛直(筋肉が硬くなってしまう)、また手足の震え、麻痺、けいれんなどが起こります。
さらには、発症者の20~40%が死に至ると言われています。
また、後遺症が残ることも多く、精神障害が出る可能性は45~70%とも言われています。
とても恐ろしい病気だということが分かりますね。
ワクチンを打つことで、発症するリスクは75~95%減ると言われていますので、できれば予防接種はしておきたいところです。
まとめ
予防接種というのは、その性質上副作用があったりして賛否両論分かれるものです。
医師の説明をしっかり聞き、予防接種はリスクを大幅に減らすが、予防接種にもリスクがあることをしっかりと理解したうえで受けるのが大切です。
医療はめざましく発展しているとは言え、完璧なものではありません。
また人間の体というのは個人差が大きく、その日の体調などにも大きく左右されてしまうので、一概に「安全です」「誰にでも使えます」というものは存在しません。
不安な点がある時は、必ず医師と相談をするようにしましょう。
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