産まれてきた赤ちゃんの白目や肌が黄色く見えて、心配になってしまうママやパパもいますよね。
産まれたばかりの赤ちゃんは「新生児黄疸」といって白目や肌が黄色くなってしまう症状が起きることがあり、原因物質の数値が高いと肌が黄色く見えてしまいます。
新生児黄疸が治るまでにはどのくらいの日数がかかるのでしょうか?
黄疸の数値が下がらない時は何か治療をするの?
産まれたばかりの赤ちゃんによく見られる、新生児黄疸が続く日数や、数値が下がらない時の対処法についてお伝えします。
■新生児黄疸はいつまで続くの?
まだ産まれたばかりの赤ちゃんは、肌や白目が黄色くなることがあり、これを「新生児黄疸」といいます。
ほとんどの場合が生理的なことが原因で起こります。
産まれてから1週間~2週間程度が経過すれば黄疸は自然と消えていきますが、中には消えないこともあり、この場合は治療をすることもあります。
黄疸の症状が出てくるのは生後2日~3日頃で、新生児の頃に症状が出るために新生児黄疸と呼ばれています。
■ビリルビン数値が下がらない時の対処法
正常なビリルビンの数値は5mg/dl前後で、生理的なことが原因でビリルビンの数値が高い場合であれば数値が13mg/dl前後になった後に徐々に正常の値まで下がってきます。
なかなか数値が下がらない時にママが出来る対処法としては、
- 母乳やミルクをたくさん飲ませる
- 1日30分の日光浴
というものがあります。
母乳やミルクをたくさん飲ませることでおしっこやうんちをたくさん出させ、赤ちゃんの身体の中に溜まったビリルビンを早く体の外に出すことが出来ます。
赤ちゃんのうんちが緑色になることがありますが、体の中に溜まっていたビリルビンが出ている証拠になるので、心配しなくても大丈夫です。
ビリルビンの数値が高いと「光線治療」という治療をします。
これは病院で行う治療ですが、自宅で出来る対処法として、赤ちゃんに適度な日光浴をさせるという方法があります。
日光浴をさせることで、光線治療と同じような効果を得られることが期待出来ますが、赤ちゃんの肌はとっても薄くてデリケートですので、直射日光に当てることは避け、1日30分、カーテン越しに浴びさせるなどの方法を取りましょう。
■新生児黄疸は治療が必要?
生理的なものが原因の新生児黄疸は、1週間~2週間程度経過すると自然と症状がなくなってきます。
ですが、なかなか黄疸が良くならずに、ビリルビンの数値も下がらない場合や黄疸が強いときは、入院が長引いてしまうこともあります。
このような場合の一般的な治療は「光線治療」というものになり、赤ちゃんを裸にした状態で目を守るアイマスクを着けさせ、光線が出る保育器の中に寝かせます。
光線の色は青、または緑色で、この色の光線を浴びさせることでビリルビンが溶けて排出されやすい状態になります。
24時間続けて治療を行うことになるため心配になるかもしれませんが、血液中のビリルビンの数値が下がれば治療をしなくても済むので、心配をする必要はありません。
■新生児黄疸の原因は?
新生児の黄疸の原因が生理的なものですと、1週間~2週間程度で黄疸が消えていくため治療の必要はありません。
黄疸は、血液の中にビリルビンという物質が増えてしまった状態のことで、ビリルビンの量が増えると白目や肌が黄色く見えます。
ビリルビンは赤血球の中で酸素を運ぶ働きをしていて、ヘモグロビンが壊れたときに出来る黄色い色素です。
健康な大人は、ビリルビンが肝臓で処理されて体の外へと排出されますが、まだ肝臓の働きが未熟な新生児はビリルビンを上手に排出することが出来ずに、黄疸の症状が出てしまいます。
■新生児黄疸の種類は?
新生児がなりやすい黄疸にはいくつかの種類があります。
【生理的な黄疸】
産まれてから2日目~3日目に始まり、赤ちゃんの肌や白目の部分が黄色くなります。
多くは4日目~5日目にピークを迎え、徐々に消えていき、1週間~2週間で症状がなくなります。
【母乳性黄疸】
生理的な黄疸が終わる頃になっても黄疸が長引く赤ちゃんがいます。
完全母乳で育っている赤ちゃんで、母乳に含まれている女性ホルモンが影響して黄疸が長引きます。
母乳性黄疸は、黄疸の症状が長い赤ちゃんで1ヶ月以上続き、中には2ヶ月ほど症状が続く赤ちゃんもいますが、その後自然と症状が治まってきます。
【血液型不適合黄疸】
ママと赤ちゃんの血液型が違うために起きる黄疸で、ママの身体の中に赤ちゃんの赤血球に対する抗体が作られることが原因で起こります。
これは、赤ちゃんがママのお腹の中にいるときから始まっているもので、赤ちゃんの赤血球に対する抗体が胎盤を通して送られることが原因となり、赤ちゃんの赤血球を壊してしまうため、赤ちゃんが産まれた後に強い黄疸が出てしまうのです。
■注意が必要な核黄疸
身体の中から排出されるはずのビリルビンが長く体内にとどまってしまうと、ビリルビンが脳の神経細胞を破壊して「核黄疸」という病気を引き起こしてしまうことがあります。
早めに治療をすることで悪化を予防することが出来ますが、3日以上が経過してしまうと発熱やけいれんの症状が、さらに1週間以上が経過すると体がぐったりするといった症状が出てきます。
症状が進行してしまうと、脳性麻痺といったような後遺症が現れ、最悪の場合命にかかわることもあります。
■まとめ
- 新生児黄疸は通常1週間~2週間程度で自然と治まっていく
- 新生児黄疸の原因はビリルビンという物質で、赤ちゃんの肝臓が未発達なため分解されずに増えてしまうことで起きる
- 新生児黄疸には「生理的な黄疸」「母乳性黄疸」「血液型不適合黄疸」がある
- 黄疸が強い場合やビリルビン値が高い場合は入院が長引くことがあり、光線治療を行う
- ビリルビンが脳の神経細胞を破壊してしまう「核黄疸」は脳性麻痺などの後遺症が現れ、命にかかわることもある
新生児によく見られる新生児黄疸は、多くの赤ちゃんにその症状が現れ、自然と治っていくことがほとんどです。
生後2~3日目に黄疸が出始め、1週間~2週間が経過する頃には治っていきますが、完全母乳の赤ちゃんは母乳に含まれる女性ホルモンの影響で黄疸が長引くことがあります。
黄疸が強い、ビリルビン値が高い場合は、光線治療を行うことになりますが、あまり心配はせずにしっかりと治療を行いましょう。
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