子供の成長が遅いと、もしかしたら低身長症なんじゃないかと心配になることもあるかもしれません。
でも、ただ単に成長が遅いだけなのか、それとも低身長症が原因で身長が伸びないのかはどうやって判断すれば良いのでしょうか?
また、万が一低身長症だったときは、そのように対処したら良いのかも気になるところですよね。
そこで今回は、低身長症の特徴、診断基準、原因、治療法について紹介していきます。
目次
低身長症とは?
低身長症とは言葉の通り、子供の身長がなかなか伸びない状態で、同じ性別や年齢の友達と比べて身長が著しく低いことを言います。
一般的に子供の身長や体重などの発達のトラブルは、平均身長との分布幅を示した標準偏差値(SD値)で比較して判断されます。
出生時に正期産で生まれた子供でも人それぞれ成長スピードは違います。
また早産で生まれた子供は、もともと体が小さく成長も比較的ゆっくり育つことが多いです。
どちらの場合も、3歳を過ぎても身長が伸び悩み、正常範囲に満たさない場合、低身長症の可能性が出てきます。
診断基準
母子手帳にも掲載されている成長曲線にポイントしてみましょう。

伸びが上図の帯の範囲内に入っていれば基本的に問題はないとされております。
万が一帯の下に大きくはみ出してしまっている場合は、低身長症の可能性が出てきます。
低身長症の原因と治療法
低身長症になる原因はさまざまありますが、大きく分けると、
- 病気
- 環境
- 遺伝
この3つに分類することができます。
それぞれ見ていきましょう。
成長ホルモン分泌不全性低身長症(病気)
脳下垂体からの成長ホルモン分泌が少ないために身長増加に影響がでます。
治療法は成長ホルモン投与があり、治療をしなければ身長は130cmくらいまでしか伸びません。
軟骨異栄養症(病気)
軟骨の異常によって、骨が縦に伸びない病気です。
身長は130cmに届かない場合もあり、見た目もはっきり言って小さいです。
治療法の1つとして成長ホルモンの投与も有効であると分かっています。
思春期早発症(病気)
文字の通り思春期が早く来てしまう病気です。
思春期が早くくると言うことは、そこで身長の伸びが止まってしまう事になります。
治療法としては思春期を遅らせるという治療があります。
思春期遅発症(病気)
先ほど紹介した「思春期早発症」とは逆で思春期が遅れて来るものです。
思春期が早く来ると身長の伸びは止まりますが、成長期も遅く来るというのは他の人よりも身長の伸びが遅くきます。
例えば他の人が中学生くらいで伸びる中で、高校生になっていきなり伸び始めたりするケースがあるのです。
この場合は治療の必要はありません。
ターナー症候群(病気)
この病気は女の子の染色体の病気です。
卵巣が発達せず、女性ホルモンが不足し、低身長で初潮がこないこともあります。
身長は140cmにも満たないことが多く、治療法としては女性ホルモンや成長ホルモンの投与治療が有効であると言われています。
2000人くらいに1人という割合で発症している病気です。
心理的原因(環境)
家庭の崩壊や度重なる引っ越しなど、精神的影響で身長が伸びないことがあります。
この場合、身体的な成長ホルモンを投与するなどの治療では改善しません。
よってストレスを与えないような環境の改善などお子さんへの接し方などを変えていかなくてはなりません。
遺伝による原因(遺伝)
この場合は両親の身長が低かったりする場合、子供の身長も伸びない可能性があります。
しかしこの場合、極端な体格貧弱や低身長にはならないことが特徴であり、治療の必要もありません。
まとめ
背が小さいからと言って必ずしも低身長症であるとは限りません。
仮に低身長症であったとしても早い段階で気付き、早期治療を開始することで症状は良くなります。
治療をするにしても自分の子供がどのタイプの低身長症かを見分けることが重要となってきます。
症状によって治療法が異なるからです。
産まれた頃から健診のたびに成長曲線で自分の子供の身長の伸び方をチェックすることが大切です。
そして少しでも自分の子供も身長の伸びに違和感を感じたり、周りの子供と比べて著しく身長が低い場合は1度小児科の医師に診てもらいましょう。
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