予防接種のワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」というものがあり、それぞれに違った特徴があります。
とはいっても、どんな違いがあるのかはよくわからないことが多いですよね!
ワクチンの特長や、接種する間隔もそれぞれ違います。
そこで今回は、
- 生ワクチンと不活化ワクチンの違い
- 生ワクチンと不活化ワクチンのメリット・デメリット
- 生ワクチンと不活化ワクチンの接種間隔の違い
についてお伝えします。
しっかりと違いを知っておけばいざ予防接種を受ける際にも安心ですよ^^
目次
生ワクチンと不活化ワクチンの違いとは?
ワクチンの種類には、「生ワクチン」というものと「不活化ワクチン」というものがあります。
この2つのワクチンの違いは以下のようになります。

引用:ワクチン.net
生ワクチンのメリット・デメリット
生ワクチンは、病原体になるウイルスや細菌の毒性を免疫がつくレベルまで弱くしたワクチンで、毒性の弱いウイルスや細菌が身体の中で増えて免疫を高めます。
免疫がしっかりとつくまでには約1ヶ月程度かかりますが、予防接種の回数は少なくて済みます。
ただし、弱らせた状態とはいえ、生きたウイルスを体に入れることになるので、副反応は出やすいと言われています。
- メリット:1回で高い効果が期待できる
- デメリット:副反応、副作用が出やすい
不活化ワクチンのメリット・デメリット
病原体のウイルスや細菌を殺して、免疫がつく成分だけ取り出したワクチンで、生ワクチンと違って体の中でウイルスや細菌が増殖しないために、複数回の予防接種が必要になります。
一定間隔で摂取し、最低限必要な免疫をつけ、その後1年が経過してから追加の予防接種を行って免疫をしっかりとつけるようになります。
こまめな摂取が必要ではありますが、殺したウイルスから免疫成分だけを取り出しているので、副反応は出づらいと言われています。
- メリット:副反応、副作用が出づらい
- デメリット:複数回の摂取しないと効果が期待できない
生ワクチンと不活化ワクチン、接種間隔の違いは?
予防接種を受けるとき、ワクチンの種類によっては接種間隔が異なります。
以下の図をご覧ください。

引用:ワクチン.net
- 生ワクチンを接種後:別のワクチンを接種するまでは27日以上あける
- 不活化ワクチン接種後:別のワクチンを接種するまでは6日以上あける
生ワクチンは接種間隔を約1ヶ月ほど空ける必要があるので、予防接種のスケジュールを立てる際には注意が必要ですね。
▶予防接種のスケジュール一覧!3歳までに打っておくべきワクチンは?
生ワクチンと不活化ワクチンの同時接種は可能?

多分そんな風に思う方も多いと思います。
ですが、実は同時接種はOKなんです!笑
私も最初不思議に感じましたが、私がお医者さんから聞いた話では以下のように説明されていました。
本当は間を開けながら接種するのが一番確実なのですが、それだと全てのワクチンを接種するのに時間がかかってしまい、その間に病気にかかってしまうリスクが増えてしまいます。
副反応のリスクとワクチンの投与に時間がかかるリスクであれば、副反応のリスクの方が圧倒的に少ない為、同時接種はOKとしています。
なるほど。
副反応のリスクよりも、ワクチンを接種してない期間が長くなる方がリスクと判断しているわけですね。
ちなみにですが、同時接種の場合は、生ワクチン×不活化ワクチンなどのように混合して接種しても問題ないそうです。
忙しいお母さんにとってはこれは助かりますね。
主なワクチンの分類
ついでなので、赤ちゃんの予防接種の種類もざっくり抑えておきましょう。
赤ちゃんの予防接種には定期接種と任意接種を含めると全部で12種類あります。
それぞれ生ワクチンと不活化ワクチンの分類は以下になります。
生ワクチン
- BCGワクチン
- MR(麻しん風しん)ワクチン
- 水疱瘡ワクチン
- おたふくかぜワクチン(任意)
- ロタウイルスワクチン(任意)
不活化ワクチン
- 2種混合(ジフテリア、破傷風)ワクチン
- 4混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)ワクチン
- 日本脳炎ワクチン
- ヒブワクチン
- インフルエンザワクチン(任意)
- 小児肺炎球菌ワクチン(任意)
- B型肝炎ワクチン(任意)
緑で色付けしているのは任意接種なので、費用もそれなりにかかってしまいますが、できれば接種しておくと安心かなと思います。
ぶっちゃけ安全なのはどっち?
生ワクチンと不活化ワクチンの違いが分かったところで、気になるのは「結局どっちの方が安全なの?」というところではないでしょうか。
「生ワクチンの方が副反応が出やすいんならそっちの方が危険なんじゃ…。」
そう思ってるお母さんも多いと思います。
ですが、結論から言うと、どちらも安全です。
むしろ安全だからこそ国も認可していると言えますよね^^
確かに生ワクチンは弱ったウイルスを体に入れるので、一時的にその病気と同じ症状を発生させることがあります。
ですが、それは一時的なものなので、知っていれば冷静に対処することができます。
そう、大事なのは「知っているということ」なんです。
この記事を読んで生ワクチンと不活化ワクチンの違いをしっかり理解したお母さんであれば、きっと副反応が出てもビックリせずに冷静に対処できるハズです。
なので、極稀にしか出ないリスクに怯えずにしっかり予防接種を受けさせていってくださいね。病気になるリスクの方が圧倒的に大きいですからね!
■まとめ
生ワクチン
- 特徴:病原体になるウイルスや細菌の毒性を免疫がつく程度まで弱くした物
- メリット:1回で高い効果が期待できる
- デメリット:副反応、副作用が出やすい
不活化ワクチン
- 特徴:病原体のウイルスや細菌を殺して免疫がつく成分だけ取り出した物
- メリット:副反応、副作用が出づらい
- デメリット:複数回の摂取しないと効果が期待できない
接種間隔の違い
- 生ワクチンは27日以上、不活化ワクチンは6日以上間隔をあける
予防接種は子供を病気から守る手段になり、命を落としてしまうような病気からも守ることが出来ます。
予防接種を受けるスケジュールを決めて、忘れずに受けるようにしましょう。