産まれたばかりの赤ちゃんの頭にこぶのような物が出来てしまっていたら、何か異常があるのではないかと心配になってしまいますよね。
こぶの正体として考えられるものには「産瘤(さんりゅう)」という症状と「頭血腫(とうけっしゅ)」という症状があります。
では、この二つの症状の違いは一体何なのでしょうか?
今回は、産瘤と頭血腫の症状や見分け方についてお伝えします!
産瘤(さんりゅう)とは
産瘤とは、赤ちゃんが産道を通って産まれてくるときに圧迫されることが原因で起きるむくみになります。
こぶのようにも見えるため、赤ちゃんに何か良くないことが起きているのではないかと心配になってしまうかもしれませんが、生まれて1日程度、長くても2~3日程度で体の中に吸収されていきます。
産瘤のこぶの中身はリンパ液や血液のような体液で、大きさは大きいものですと手のひら大になります。
産瘤を触ってみると柔らかい粘土のような感触で、指で押すとその部分が窪みます。
赤ちゃんの頭に出来ることが多いですが、顔に出来ることもあり、逆子で生まれてきた赤ちゃんは足やお尻に出来ることもあります。
頭血腫(とうけっしゅ)とは
頭血腫も新生児に出来るこぶのようなものですが、むくみが原因で出来る産瘤に対して頭がい骨と骨膜の間に出来る内出血になります。
産道を通って産まれてくるときにとても強い圧力がかかった時に頭がい骨を覆っている膜が剥がれて血液が溜まってしまうことが原因で起こります。
産瘤は押すと窪んで跡が出来ますが、凍結種は押しても窪むことはありません。
約2~3週間ほどで自然と吸収されていくため、これといった治療方法はありません。
ですが、黄疸が出ているときは「高ビリルビン血症」という症状が起きていることも考えられますので、すぐに光線治療というような黄疸の治療をしなくてはなりません。
症状が長引いてしまうと聴力に障害が出てしまうことも考えられます。
産瘤と頭血腫の見分け方
産瘤と頭血腫は見ただけでは判断することが難しいため、こぶになっている部分を触ってみることで判断します。
どちらの場合も触ると柔らかい感じがしますが、産瘤は触ると跡が残って窪んだままになります。
頭血腫を触ると液体が入っているような感触で押しても窪まずにすぐに元に戻ります。
また、産瘤は生後1日程度で消えていきますが、頭血腫は生後2日目くらいになってこぶのような症状が目立つようになります。
帽状腱膜下血腫(ぼうじょうけんまくかしゅっけつ)とは
産瘤や頭血腫と似た症状で「帽状腱膜下血腫」というものがあります。
原因は吸引分娩や鉗子分娩になり、頭を強く引っ張られてしまうことで起こります。
赤ちゃんの頭にある「帽状腱膜」という頭がい骨を包んでいる膜と頭がい骨の間に内出血が起きてしまうもので、「たんこぶ」と同じようなものになります。
頭血腫も内出血が原因で起きてしまうものですが、血液が溜まってしまう場所が違い、出血する範囲も広範囲に及ぶことがあり、頭や顔の全体に広がることもあります。
出血の量が多いと貧血を起こしてしまったりショック状態になってしまうこともある、重い症状の出血になります。
場合によっては死亡してしまうこともあるため注意が必要です。
CTを使って検査を行い、NICUなどに入院することになりますが、異常が見られなければこぶは1ヶ月~2ヶ月で消えていきます。
まとめ
- 産瘤とは赤ちゃんの頭部に出来るむくみで、押すと戻ってこずにへこんだままになる
- 産瘤の中身は血液やリンパ液で、1日や長くても2~3日で吸収されて消滅する
- 頭血腫は頭がい骨と骨膜の間に生じる内出血で、分娩の時の圧迫で起こる
- 頭血腫は生後2日目から症状が目立ち始め、2~3週間で自然と消滅する
- 産瘤と頭血腫は見た目で判断するのは難しいため、こぶを触った時の感触で判断する
- 産瘤と頭血腫に似たもので帽状腱膜下血腫というものがあり、頭がい骨とそれを包んでいる膜の間に起きる内出血
- 帽状腱膜下血腫は広範囲に渡り、CTで検査をしてNICUなどに入院することがある
赤ちゃんの頭に出来るこぶの正体は「産瘤」「頭血腫」「帽状腱膜下血腫」の3つがありますが、ほとんどの場合は自然に治っていくものなので、まずは慌てずに様子を見守ってあげましょう。
生まれたばかりの頃は病院で対処してもらえますので、お母さんも落ち着いて過ごしてください。
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