近年、冬が来るたびに世間を騒がせるノロウイルス。
その感染力はとても強く、一人でるとあっという間に周囲に広がっていきます。
赤ちゃんはお母さんからもらった抗体があるため、病気にはかからない、という話がありますが、それは抗体ができる病気でのこと。
風邪のようにたくさんのウイルスがあったり、また抗体が持続しにくいウイルスは、例え生後まもなくであっても感染の恐れがあるのです。
目次
ノロウイルスってどんなウイルス?
感染性胃腸炎を引き起こすウイルスです。
冬だけだと思われがちですが、特に流行するのが冬なだけで、ウイルス自体は1年中います。
大人なら1~3日で自然治癒しますが、高齢者や子どもは体力がないため重症化しやすくなります。
100個以下という少ないウイルスでも発症してしまう、感染力のとても強いウイルスです。
潜伏期間は1~3日ほど。
またこのウイルスが厄介なのは、アルコールが効かないこと。
殻の中に入っているような状態でいるため、アルコールをかけても中のウイルスに効果はありません。
ハイターなどの塩素消毒によって殻をやぶり、消毒殺菌することができます。
どんな症状が出るの?
激しいおう吐と下痢
ノロウイルスの場合、水すらも受け付けなくなる状態となってしまいます。
勢いよく吐くのが特徴で、一気に周りにおう吐物を撒いてしまうことも。
また水のような下痢が続き、大人でもトイレから出られないほど。
高熱を伴う
38度ほどの高い熱を伴うことが多く見られます。
脱水症状
一番怖いのが、下痢・おう吐・熱により脱水症状を起こしやすい状態になること。
赤ちゃんの体はほとんど水分で構成されています。
大人より比率が高い分、脱水症状がもたらす影響も大きくなります。
涙の量が少ない、肌や唇が乾燥している、あやしても泣きやまない、落ち着きがないといった様子が見られた場合は、脱水症状が始まっていることを疑ってください。
ノロやロタは赤ちゃんでもかかる
ノロウイルスやロタウイルスなどは、一度感染しても終生の抗体がつきにくいウイルスです。
そのためお母さんの体に抗体があることがまずないため、生後1、2ヶ月でも感染してしまいます。
こうした抗体ができにくいウイルスは他にもあるため、生後6ヶ月未満だからといってあまり安心はできません。
予防するためには?
とにかく手洗いが一番重要!
自分ではよく洗ったつもりでも、手のしわの間に入ったウイルスというのは簡単には落ちません。
薬用の石鹸を使い、30秒以上かけて、指先や爪の間、指の間、手首まで念入りに洗う必要があります。
共用のタオルからうつることもありますので、家族に出ている時はタオルの共用は避けるようにします。
家庭での看病の仕方は?
ノロウイルスには、ウイルスに直接効く薬がありません。
対症療法といって、症状を緩和する薬を飲み、自然治癒を待つしかないのです。
一番大切なのは水分補給。
しかしノロの場合、水分でさえもおう吐の原因となることがあります。
一度に多く飲むのではなく、胃を刺激しないよう、一度に少しずつこまめに飲むことが大切です。
赤ちゃんの場合は、ミルクを白湯で薄めたり、白湯やお茶をこまめに与えるなどの対処をしましょう。
おう吐や下痢の対処の仕方は?
ノロウイルスは感染力が強いので、必ず使い捨てのマスク、手袋をつけて対処します。
家族がかかったときのために、日頃から常備しておくといいでしょう。
下痢がおむつに出ている場合、袋を2重にしてウイルスが外に出ないようにします。
おう吐物の消毒にはキッチン用のハイターなどを使います。
用意するものは500mlのペットボトル、ハイター、新聞紙、ビニール袋、手袋、マスク、雑巾です。
詳しいやりかたはこちらをどうぞ
http://www.takada-kodomo.com/chocho/201203_2.html
自分がノロにかかってしまった場合は?
お母さんがノロにかかってしまっても、母乳は飲ませても大丈夫。
しかし、手や体、服などにウイルスがついているとうつってしまう危険があります。
必ずせっけんで念入りに手を洗う、マスクをつけるなどして、赤ちゃんにウイルスがつかないようにしてあげましょう。
まとめ
ノロやロタなどは生後すぐにでも感染することがあり、また脱水症を引き起こしやすい恐い病気。
以前保育園に勤めていましたが、やはり一番怖いのがノロウイルスでした。
保育園や幼稚園、介護施設、病院などでは、おう吐はすぐに感染性胃腸炎を疑います。
万が一感染性のものだった場合、すぐに消毒・殺菌を行わないと二次感染を引き起こしてしまうからです。
そのため、いつでもおう吐物の消毒ができるよう、各クラス1つずつおう吐物処理のセットを置いていました。
おう吐物の処理は事前に練習をしておかないと、いざという時にパニックになってしまいます。
ご家庭でもどのような流れでやるのか、ご家族で練習してみるのもいいですね。
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