
予防接種は子供たちの病気の予防や、重篤化のリスクを軽減するために接種します。
しかし、ワクチン接種には副反応がつきものですね。
そのため、予防接種を受けるか否か悩んでしまうこともありますよね。
今回は日本脳炎の予防接種を受けないという選択はありなのか、そしてもし感染してしまった場合のリスクについてご紹介していきます。
目次
日本脳炎の予防接種を受けないという選択肢はあり?
日本脳炎の予防接種は、2017年現在公費で受けることのできる定期接種の予防接種となっています。
定期接種のワクチンは、国や自治体が接種を強く進めているものになります。
しかし、定期接種のワクチンは国や自治体から接種を推奨されているものであって、決して強制されているものではありません。
つまり、日本脳炎の予防接種を受けないという選択はありです。
多くの人が定期接種として受けていますが、中には受けさせないという選択をする人もいるようです。受けさせない理由は、「副反応が怖い」という人が多いようです。
日本脳炎の予防接種に伴う副反応にはどのような症状があるのでしょうか。
日本脳炎の副反応ってどんなものがあるの?
主な副反応は発熱、接種部分の腫れや痛みなどで、接種後3日以内に見られます。
ごくまれに重篤な副反応が見られることがあります。しかし、副反応はすべての人に発症するわけではありません。
起こってほしくないことですが、定期接種の予防接種による健康被害が発生した場合は、予防接種健康被害救済制度という制度がありますので、市区町村へお問い合わせください。
これはすべてに該当するわけではありませんが、幼稚園や保育園に入園する際に、予防接種の接種状況を確認されます。園によっては未接種の場合、接種をすすめる場合もあるそうです。
もし、お子さんが入園前であれば、予防接種の認識について先生方に聞いておくと、入園の際の煩(わずら)わしさが減るかもしれませんね。
日本脳炎に罹ってしまった場合のリスクは?
日本脳炎に感染してしまうと、頭痛・吐き気などから始まり、発熱、意識障害、手足の震え、硬直など麻痺症状が出てきます。
死亡率は10~40%で、一命を取り留めても後遺症が残ることがとても多いです。主な後遺症は、歩行困難、けいれん発作、麻痺、知能障害などです。
さらに、脳炎を発症すると脳が痙攣をおこし、呼吸困難がおこります。
日本脳炎ウイルスには、特効薬がありません。症状を緩和させるための治療が行われます。
日本脳炎ウイルスは必ずしも脳炎だけを発症するわけではありません。脊髄炎や髄膜炎の症状が起こることもあります。
日本脳炎ってどんな病気?
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスに感染した豚の血液を吸った蚊を介して、体内にウイルスが入り感染します。潜伏期間は約6日~16日といわれています。
しかし、蚊に刺されたすべての人が、発症するわけではありません。
日本という名前がついているので、日本だけで起こるウイルス感染かと思われる方もいるかも知れません。実際は日本以外にも、フィリピンやインド、東南アジアで起こる病気です。世界では年間3~5万人の患者発生が報告されています。
日本では年間10名程度の発症が確認されています。そのほとんどは高齢者で、過去にワクチン接種をしていない人が多くを占めています。
厚生労働省によると、日本脳炎ウイルスを持った蚊は毎年発生していて、国内での感染の可能性はあるといわれています。
日本脳炎の予防接種、受けなくてもいい?
日本脳炎の予防接種は、定期接種ですが必ずしも接種しなくてはいけないというものではありません。感染し、発症する人も少ないことから、予防接種を受けない選択をする方もいらっしゃると思います。
一方、日本国内での日本脳炎を発症した人のほとんどが、ワクチン未接種の方であると発表されています。
しかも、日本脳炎は発症すると重篤化する可能性があります。
ワクチン接種による副反応のリスクと、未接種による感染・重症化のリスクを天秤にかけて、しっかりと理解し判断していきましょう。困ったときや予防接種での不安点などは、小児科医にどんどん相談をして、納得のいく結論を出しましょう。