
2011年11月から解禁されたロタウイルスのワクチン。
「前まで予防接種がなかったから、いいんじゃないの?」
「副作用がこわい」
そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でもロタウイルス、実はとても重症化しやすく、甘く見てはいけない感染症なんです。
今回はロタウイルスの症状や、ワクチンによってどんな効果があるのかについてお伝えしていきます。
ロタウイルスって何?
ロタウイルスは、特に乳幼児が感染しやすい胃腸炎です。
大人の場合、感染性胃腸炎はノロが多いのですが、乳幼児の場合はロタウイルスがトップ。
5歳までに95%の子が一度は感染すると言われています。
ロタウイルスにはいろいろな種類があるため、一度かかったから終わり、というわけではありません。
どんな症状が出るの?
ロタウイルスに感染すると、激しいおう吐や下痢の症状が出ます。
中でも一番特徴的なのが、便が白っぽくなること。
またすっぱい臭いも伴います。
おう吐と下痢は4~5日続き、発熱も多く見られます。
そのため脱水症を起こしやすく、注意が必要です。
重症化しやすい感染症
ロタウイルスは乳児が最もかかりやすいだけでなく、最も重症化しやすい感染性胃腸炎だとも言われています。
重症化する原因は脱水症。
激しいおう吐と下痢に加え、発熱もありますから、体の水分はあっという間に失われていきます。
また子どもの場合、大人に比べ体の中の水分比率が高いのです。
その体から水分が大量に失われてしまったらどうなるか…分かりますよね。
年間で120万人の乳幼児がロタウイルスにかかり、そのうち入院するのが24,000~78,000人と言われています。
中には脳炎に発展するケースも
ロタを甘く見てはいけないのは、ロタウイルスは脳炎や脳症も起こすことがあるウイルスだからです。
さらに恐いことに、下痢などの症状のひどさと、脳炎や脳症が起こる確率は比例しません。
つまり、「下痢もうおう吐も大したことがなかったのに、急に意識が無くなった」ということが起こるのです。
まだどういったメカニズムでロタが脳炎や脳症を引き起こすのか、解明されていません。
そのため子どもの様子に細心の注意を払う必要があるのです。
ワクチンを打つ必要はあるの?
ロタウイルスのワクチンは、2011年の11月に日本でもようやく解禁となりました。
そのため、「それほど重要じゃないんじゃ?」「日が浅いワクチンを打っても平気なの?」といった意見が多く見受けられます。
また、「小児科でも別に打たなくていいって言われたよ」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「最近任意接種に追加されたからそれほど重要なワクチンではない」というのは本当でしょうか?
私はちがうと思っています。
重要でないワクチンなら、そもそも解禁する必要がありません。
今まで通り、かかったら病院で対処でいいはずです。
しかし、ワクチンを打つより、ワクチンを打たないほうのリスクが大きいからこそ、任意接種として追加されているのではないでしょうか?
子どもが感染した時、自分が対処できるのか、家族に感染する恐れがある人はいないのか、そういった「感染した時の対処」をまず考えましょう。
仕事をしていたり、小さい兄弟が他にもいるといった場合、感染してしまった時それだけ対処が難しくなります。
またありふれたウイルスですので、保育園や幼稚園など集団生活を送る場合、まず感染する可能性があると考えた方がいいでしょう。
ワクチンを打つか打たないかの選択は、感染した時のリスクを考え、個人の意思で行うべきだと思います。
まとめ
子どもはいつ病気にかかるのか分かりません。
また、「重症化するのは滅多にないよ」と言われても、その「滅多」に当たる可能性もあるわけです。
同じように子育てしている方に聞いたり、病院で相談したりすることも大切ですが、最後の決定は家族で行わなくてはいけません。
後から後悔がないよう、よく考えてから選択してくださいね。
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