子供が気持ち悪さを訴えて、さらに発熱があると体力もどんどん奪われてしまい、とても心配になりますよね。大変な状況ですが、慌てず対処して、子供を安心させてあげましょう。
吐き気、発熱と症状が出た場合、どのような病気が考えられるのか、どんな対処方法があるのかをご紹介していきたいと思います。
吐き気や嘔吐、発熱があるときに考えられる病気は?
1)急性虫垂炎
一般的に「盲腸」と呼ばれる病気です。
盲腸の先にぶら下がっている虫垂という部位が炎症を起こしている状態です。2~3歳ころから発症しやすくなり、小中学生が発症のピークと言われています。
おなかの上部やおへそのあたりから痛みが始まり、時間とともに右下に痛みが移っていきます。
この時に、嘔吐や吐き気が起こることがあります。虫垂炎が進行していると、37~38度の発熱を伴います。
年齢が小さい子供は、うまく自分の状態を伝えることができず、対処が遅れてしまうことがあります。虫垂炎は、症状が出始めてから24時間以内で虫垂に穴が開いてしまう可能性が高いと言われています。
発熱、嘔吐・吐き気、腹痛といった症状が出てきて、機嫌が悪くなり痛みが激しくなるようであれば症状の進行が疑われるので、早急に医療機関を受診しましょう。
夜間や休日も、翌日を待たず救急外来や休日診療所を受診してください。
2)感染性胃腸炎
ロタウイルスやノロウイルスなどが原因で発症する胃腸炎です。
保育園・幼稚園・小学校など、集団生活で流行りやすく、感染力も強いです。
症状は、高熱・嘔吐・吐き気・下痢が挙げられます。
特効薬はなく、対症療法がおこなわれます。嘔吐や下痢から脱水症状になりやすいので、注意が必要です。嘔吐が落ち着いてきたら少しずつ水分を摂取し、しっかり体を休めてあげましょう。
食事は無理に食べる必要はなく、消化の良いものを徐々にとるようにしていきます。
参考⇒子供に吐き気の症状が…食事はどんなメニューがおすすめ?
3)髄膜炎
髄膜炎は子供がかかると怖い病気です。
脳や脊髄を覆っている膜が髄膜です。髄膜炎は、この髄膜がウイルスや細菌によって炎症を起こしている状態です。
主な症状は、高熱、嘔吐、頭痛です。年齢の小さな子供は頭痛をうまく伝えられないこともあり、機嫌が悪くなったり、激しく泣いたりして辛さを訴えてきます。
髄膜炎は意識障害やけいれんを起こすこともあります。高熱以外の症状がなくても、髄膜炎が進行することもあるので、意識がもうろうとしてきたり、けいれんを起こした場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
髄膜炎は入院をして点滴による治療を行います。
初期症状は風邪と同じような症状ですが、意識障害やけいれんがおこった場合は髄膜炎の可能性が高くなります。日本小児感染症学会によると、細菌性髄膜炎になった場合、約20%に後遺症が発生すると発表しています。
早期発見もとても大切ですが、定期接種にある「小児用肺炎球菌」と「ヒブワクチン」が最大の予防策となるので、予防接種をきちんと受けましょう。
参考⇒予防接種のスケジュール一覧!3歳までに打っておくべきワクチンは?
吐き気や嘔吐、発熱の時の対処法は?

吐き気が続き、熱も高熱で食欲が落ちたりぐったりしているようであれば、できるだけ早く小児科を受診しましょう。
風邪ではなく上記のような病気が隠れているかもしれません。それぞれの症状にあった治療や投薬をしてもらうことで早く元気にしてあげたいですね。
水分補給がままならなくなったり、意識障害やけいれんが現れた場合は、早急に受診が必要になりますので夜間・休日診療でも受診するようにしましょう。
自宅でもいつもと違う様子はないか注意して見てあげてください。
また、薬を飲むと一時的に症状が落ち着き、元気になったように感じることもあるかもしれません。しかし、そこでいつものように過ごしてしまうとぶり返してしまうかもしれないので、ゆっくり過ごすことを心がけましょう。
体調の変化に注意を
吐き気だけの訴えから、徐々に発熱や嘔吐など症状が増えたり変化したりすることがあります。
子供は自分でその変化を訴えられないことが多いので、体調や様子の変化に気を付けてあげましょう。
どんどんつらくなる体に子供は不安いっぱいです。焦ることなく対応できるように、準備しておきたいですね。普段は掛からない夜間・休日診療所の場所や電話番号などあらかじめ調べておくと安心です。
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