
日本では10人に1人が起こすことがあるという「熱性けいれん」。
以前保育園に勤めていましたが、熱性けいれんがある子は必ず書類にも記載してもらっていました。
熱性けいれんは再発することは少ないと言われているものの、繰り返す子は何度も再発することも。
また初めてけいれんを見た時は、「大丈夫なのか」「死んでしまわないか」ととても不安になりますよね…
今回は熱性けいれんについて、対処なども交えてお伝えしていきます。
目次
☆熱性けいれんとは?
熱性けいれんは熱が出始めてから24時間以内に起こることが多く、また多くの場合熱が一気に上がる時に起こりやすいものです。
定義では「38℃以上の高熱に伴い、6歳未満の乳幼児に起こる発作疾患」「感染症や代謝異常、またその他の発作の原因となる明らかな疾患が無いもの」とされています。
冒頭でも述べたとおり、日本では約10人に1人が起こすとされている熱性けいれん。
特に1~2歳までに経験する子が多く見られます。
☆熱性けいれんはどうして起こるの?
実は熱性けいれんが起こるメカニズムは、まだ解明されていないんです。
子どもは脳が未熟のためではないか…と言われています。
☆熱性けいれんの種類を知っておこう!
熱性けいれんにも、いくつか種類があります。
場合によっては、救急車が必要になったり、また病院で検査が必要なケースも。
【単純型熱性けいれん】
こちらは心配のない熱性けいれんです。
全身の震えが続くのは15分未満。
【複雑型熱性けいれん】
複雑型の場合、てんかんや髄膜炎、脳炎、脳症などが考えられます。
全身の震えが15分以上続く、体の片側など、部分的なけいれんが続く、24時間以内に2回以上起こる、といったことがあげられます。
特に発熱から2~3日経った後に起こるけいれんは、脳症や髄膜炎の可能性が高いとされています。
この場合は救急車を呼ぶか、すぐに医療機関に向かうようにしましょう。
またこの複雑型熱性けいれんが起こる子は、稀ですがてんかん発作を起こしやすいという報告も。
度々けいれんが起こる、体をつっぱるようにして固まってしまうといった症状が見られる場合、子ども病院などで検査をすることをお勧めします。
☆熱性けいれんの対処法は?
まず第一は落ち着くこと!
大声を出したり、揺さぶったりすると逆効果です。
初めて見た時は慌ててしまいますが、一度深呼吸して全身の様子を見てください。
【呼吸を楽にさせる】
衣服をゆるめ(特に首元)、呼吸が楽にできるようにしてあげてください。
またもし体勢が変えられる場合は、頭を上にそり気味にさせると気道が開きます。
また顔と体を横向きにすることで、万が一吐いてしまった場合も、吐いたものが気道に入りません。
吐いたものが鼻や口の周りについていたら、ガーゼで拭いてあげてくださいね。
【口の中にものを入れない】
歯をくいしばっていても、口の中にものを入れないようにしてください。
薬や飲み物を入れると誤嚥の可能性が。
また口の中のものを無理矢理抜くのも逆効果です!
【様子を記録しておく】
発作がどれくらいの時間続いているのか、またどこがけいれんしているかを記録しておくのはとても重要です。
病院に行った時、診断の基準にもなります。
意識の有無、体温、どんな様子か、呼吸はあるかなど、なるべく細かく観察して記録しておきましょう。
私は以前てんかんの子を預かったことがあるのですが、発作が起こるたびにこれらのことを記録していました。
発作が何度か起こった子とがある子の場合、すぐに紙に書きだせるように、あらかじめ項目を書いた紙を用意しておくといいですよ。
【発作中は決してそばを離れない!】
発作中は必ずそばにいるようにしてください。
万が一おう吐などして、気道が詰まってしまったら呼吸ができなくなってしまいます。
また、発作中に「あれ?」と思うことがあったらそれも病院で伝えましょう。
☆熱性けいれんには座薬が有効?
熱性けいれんは熱が上がることで起きるなら、座薬をいれれば予防できるのでは?
そういった意見が多く見られます。
しかし解熱の座薬では、熱性けいれんの予防はできないそう。
解熱剤が切れたときにけいれんが起こることもあるので、発生する確率は変わらないんだとか。
度々起こす子の場合は、病院で「抗けいれん剤」の座薬が処方されます。
この座薬を使う場合は、37.5℃以上になった時点で使う必要があります。
医師によって、この座薬を使うことは意見が分かれるそうですが、まずはかかりつけの病院に相談してみましょう。
また、座薬を使う場合はできるだけ家族の誰もが使えるようにしておきましょう。
以前保育園に勤めていた時、
「座薬は私しか入れられないから…」
というお母さんが多くいらっしゃいました。
自分がすぐに迎えに行けない時、家族の誰かが代わりにできるよう、日頃から頼んでおいたり、入れ方を伝えたりしておくといいですね。
☆家族歴に注目!
熱性けいれんは、家族歴が強いと言われています。
家族の中で起こしたことがある人はいないか、両親や祖父母はどうだったかなど知っておくと、起こりやすいかどうかが分かります。
☆まとめ

起こると慌ててしまう熱性けいれん。
でも再発するのは、全体の9%程度と言われています。
万が一起こってしまった時、冷静に対処できるように、日頃から学んだり心構えをしておくといいですね!
また、心配がいらない熱性けいれんがあることも分かり、少し安心ですね。
どちらのけいれんかとっさに判断するのはなかなか難しいです。
けいれん後も、様子に変わりがないか、1日よーく観察してみてくださいね。
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