季節を問わず感染することがあるアデノウイルス。
一体どういった症状が出るのか、ご存知ですか?
またこのアデノウイルスは、風邪程度の軽い症状のものから、重症の扁桃腺炎や肺炎を引き起こすものまで様々。
この前かかったときが軽かったからといって、今回も軽く済むとは限らないのがこのウイルスの恐いところなのです。
またこれからプールの時期に入りますから、アデノウイルスの流行が考えられます。
一体どんな感染症を起こすのか、どう対処したらいいのか、今のうちに正しい知識を身につけておきましょう。
目次
アデノウイルスとは?
「アデノ」とは、扁桃腺やリンパ腺のこと。
このウイルスが扁桃腺やリンパ腺の中に潜んで増えていくことから、この名前がついています。
季節を問わず流行しますが、いわゆる「プール熱」もこのアデノウイルスが原因となっていますので、これからの時期は特に感染が増えます。
アデノウイルスはいろんな病気を引き起こすもととなるウイルス。
また症状が非常に強く出ることも多いので、細菌感染と思って治療していたら実はアデノウイルスだった…ということも。
最近は検査が行えるようになり、アデノウイルスかどうか簡単に調べることができるようになりました。
アデノウイルスは何度も感染する
アデノウイルスは種類が多く、現在知られているだけでもなんと49種。
そのためこの前かかったのに、また…!ということが起きてきます。
また免疫が付きにくいものですので、何度もかかりやすいウイルスです。
どんな病気を引き起こすの?
では、実際にアデノウィルスが原因でどんな病気を引き起こすのかを見ていきましょう!
上気道炎、気管支炎(風邪)
風邪と私たちが呼んでいるものです。
ひどい場合は、高熱や悪寒、筋肉痛、頭痛といったインフルエンザに似た症状を起こすことがあります。
扁桃腺炎
扁桃腺に白い膿がつき、高熱が出ます。
高熱は3~7日続くことがほとんど。
またこの膿がとても痛いので、食事や水分補給がままならなくなります。
私も扁桃腺炎自体は何度かやっているのですが、まったく良くならず1日2回の点滴に通ったことがありました…
あれはもう勘弁です(涙)
アデノウイルスによる扁桃腺炎は炎症が強いため、細菌感染との見分けが難しいようです。
咽頭結膜熱(プール熱)
夏によく聞くプール熱。
高熱が3~7日続き、扁桃腺が腫れ、喉の痛みが起こります。
その他にも目の充血、目やにが見られます。
プールに入らなくても、飛沫感染やウイルスを含んだ便などを介してもうつります。
プール熱は学校伝染病の一つですので、登園や登校ができなくなります、ご注意を!
流行性角結膜炎
目の充血と目やにが出ます。
プール熱とのちがいは、あまり熱が高くなく、喉の痛みや赤みも少ないこと。
こちらも学校伝染病の一つになっています。
以前働いていた保育園ですごく流行ってしまい、大変でした…
目を触った手で椅子や机、おもちゃを触ると、そこから他の子にもウイルスがうつってしまいます。
感染力が強く、大人でもうつるので注意が必要です。
胃腸炎
乳幼児が起こす胃腸炎のほとんどはロタですが、アデノウイルスも胃腸炎を起こします。
特にアデノウイルスは腸重積を起こす原因と言われているので、注意が必要です。
肺炎
アデノウイルスは重い肺炎を起こすことも知られています。
特に乳幼児が多く、5歳以下の子は注意が必要です。
髄膜炎や心筋炎、脳炎を併発することもあります。
これらのほかにも、無菌性髄膜炎や出血性膀胱炎を引き起こすことも。
対処法は?
アデノウイルス自体を殺したり、ウイルスに直接効く薬はありません。
そのため、熱が高い時は解熱剤、結膜炎には目薬、炎症にたいしては抗炎症薬といった対症療法が基本です。
また、アデノウイルスは飛沫感染や経口感染、接触感染など様々なルートで感染します。
<飛沫感染>
咳やくしゃみなどによってウイルスが飛び、それを吸い込んで感染すること
<経口感染>
ウイルスがついた手でものを食べたりすることで感染します。
<接触感染>
キスなどをすることによってウイルスに感染します。
おう吐物や便などの中に含まれていたウイルスは、乾燥すると空気中にただよい始めます。
乾燥してしまう前に、しっかり殺菌消毒して、ウイルスを退治することが大切です。
また、おむつ替えのときはマスクや手袋をするといったことも重要。
症状は治まっても、ウイルスは排出されている!
どのウイルスや細菌感染に置いても同じですが、一度感染すると症状が治まった後も、2週間~1ヶ月はウイルスを排出し続けます。
特にプール熱の場合、プールに入ることによって他の子にうつしてしまいますから、1ヶ月はお休みさせる覚悟でいましょう。
大人がかかったら、出勤も停止?!
感染力の強いウイルスですから、もし子どもからうつされてしまった場合は極力出勤は控えなければなりません。
会社と相談し、来てもいいという場合は出勤できますが、必ずうがい・手洗い・マスクを忘れないように!
周りに迷惑をかけるだけでなく、皆にうつしてしまうと会社側も迷惑です。
特にトイレに行った後は念入りに手洗いを行ってくださいね。
まとめ

今回はアデノウイルスについてお伝えしてきました。
アデノウイルスはいろんな病気を引き起こす厄介なやつ、ということが分かりましたね。
また感染した部位や人によって、症状の出方や発症する病気は様々。
「アデノウイルス?あー!うちの子もかかったけど、風邪みたいな感じだったよ♪」という情報はまず信用できないと思ってください。
同じく軽く済むとは限りません!
また、「アデノウイルスが出ています」「プール熱が出ています」といった状態で体調を崩した場合は、必ず医師に相談を。
アデノウイルスによる扁桃腺炎や肺炎などは炎症が強く、細菌感染と見分けがつきにくいので、細菌感染の治療をしたのに良くならなかった…ということが起こりえます。
早期の治療のためにも、アデノウイルスかも、と思った時はしっかり伝えましょうね!!
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