風邪をひいて少し症状が治まった後、微熱や咳だけしつこく治らないことがあります。本当に風邪なのか、このまま様子を見ていて大丈夫なのか、心配になりますよね。微熱や咳が長引く時はどのような対処をしたらいいのでしょうか。
長引く風邪は「細菌性の風邪」
風邪には「ウイルス性の風邪」と「細菌性の風邪」があります。実はこの感染源の違いが、長引くか長引かないかに関係してくるのです。
「ウイルス性の風邪」は、いわゆる一般的な風邪でウイルス感染によるものです。高熱が出たとしても、安静にしていれば薬を使わなくても数日で治ります。
それに対して「細菌性の風邪」は、安静にしているだけではなかなか治りません。
ウイルスも細菌も同じように風邪を起こしますが、ウイルスが数日で消えるのに対し、細菌は体内でずっと生き続けるのです。
そのため細菌を殺さなければ治らないのです。
細菌性の風邪の治療には、通常の風邪薬では効かないので抗生剤を使って治す必要があります。普通の風邪だと思いずっと風邪薬を与え続けていても治らず長引くだけなのです。
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微熱や咳が長引く風邪・病気とは
細菌性の風邪を含め、微熱や咳が長引く場合に考えられる病気にはどんなものがあるのでしょうか。
微熱が続く場合に考えられる病気
・慢性扁桃腺炎
微熱や喉の症状が続きます。急性扁桃腺炎を繰り返して慢性化したものです。他の病気を引き起こす可能性もあります。小学校入学前に多くみられます。
・咽頭炎
微熱と喉の痛みが特徴です。慢性化すると軽い咳がでることもあります。咽頭炎は百日咳・はしか・肺炎などの初期症状ということも考えられます。
・中耳炎
鼻水などが原因でかかる中耳炎。すぐに治る場合もありますが、長引くと微熱が続いたり耳を痛がることがあります。
・髄膜炎
脳の髄膜に炎症が起こるもので、微熱や頭痛、首の痛みや固さなどの症状がでます。障害が残ったり死に至るケースもある怖い病気です。
咳が続く場合に考えられる病気
・百日咳
咳がコンコンと続き、咳き込むのが特徴です。100日とまでは言わなくてもそれくらい長く咳が続くという病気です。乳幼児は肺炎や脳症を併発することもあるので注意が必要です。
・小児喘息
気管支に炎症があり、気管が狭くなり呼吸がしにくくなる病気です。ヒューヒューゼイゼイという特徴的な音が出ます。ほこりや花粉などのアレルギー物質が原因でひどくなることもあります。小児喘息は適切な治療を行えばよくなることが多い病気なので、気になる場合には一度検査をしたほうがいいでしょう。
・咳喘息
風邪が長引き気道に炎症が起こりコンコンという咳が続きます。小児喘息とは違い、炎症は気道だけなので呼吸が苦しくなることはありません。
・マイコプラズマ肺炎
乾いた咳や微熱が続くのがマイコプラズマ肺炎の特徴です。普通の肺炎より症状が軽いので長引く風邪と思いがちです。感染力はそれほど強くありませんが、潜伏期間が長いため幼稚園などで流行することがあります。
病院には行くべきか?対処法は?

微熱や軽い咳程度だと病院に行ってもいいものか、ためらってしまうことがあるかと思いますが、10日以上続く場合には迷わず病院に行きましょう。
もし細菌性の病気にかかっていた場合、診断を受けその細菌にあった抗生物質を処方してもらう必要があります。自宅で間違った対処法をしていても治らないことがありますので、自己判断せず医師の診断を仰ぐことが大切です。
細菌感染以外の原因でも、重篤な病にかかっている可能性があるので、そのままにせず検査をして原因を知ることが必要です。
診断を受けた上で、その病気にあった自宅ケアを行うことが大切です。
まとめ
軽い症状でも熱や咳が続くということは、体のどこかに異常がある場合がほとんどです。特に子供は辛い症状をうまく言葉で説明できないので、長引く症状はそのままにせず医師の診断を受け適切なケアを行いましょう。
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