アデノウイルス結膜炎の症状について!熱や喉の痛みは出る?

アデノウイルス感染症とは、風邪のような症状がでるアデノウイルスを原因とする感染症で、様々な症状が現れます。

アデノウイルスは特に幼児に感染することが多く、保育園や幼稚園で流行してしまうこともあります。

アデノウイルスは、現在49種類(分類法によっては51種類)あり、それぞれの種類によって症状は様々ですが、肺炎、プール熱(咽頭結膜炎)、はやり目(流行性角結膜炎)、出血性膀胱炎、急性濾胞性結膜炎、胃腸炎などが主な症状とされています。

その中でも、アデノウイルス感染症の症状の特徴は、主に3つあります。

  • のどの腫れや痛み(咽頭炎)
  • 目やにや目の充血(結膜炎)
  • 38~40℃近い高熱(発熱)

これらの症状は、アデノウイルス感染症の三大症状とも呼ばれています。

どれか一つでもあてはまるものがあれば、アデノウイルス感染症の可能性があります。

それでは、今回は目に関する症状に注目して、アデノウイルス結膜炎について、もう少し詳しく見ていきましょう。

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アデノウイルス結膜炎

目の充血、目やに、異物感がとても強く、耳の前にあるリンパ節が腫れたり、圧痛(押すと痛い)という症状が出ていれば、アデノウイルス感染による結膜炎が疑われます。

アデノウイルス結膜炎は、潜伏期間が7日ほどあり、8月に最も流行します。

アデノウイルス結膜炎には、2種類あり、

  • 目だけに起こるタイプ(流行性角結膜炎:はやり目)
  • 目以外に咽頭炎(のどの痛み)や発熱などを伴うタイプ(咽頭結膜炎:プール熱)

があります。

一般に流行性角結膜炎(はやり目)は、目の症状が強く、発症して1週間目に最も重症化し、黒目(角膜)に炎症がおこったり、まぶたの裏側に白い膜が張ったりします。

この白い膜はまぶたの裏側に強い瘢痕(傷跡)を残すため、除去しなければなりません。

結膜炎が治った後でも、視力低下やまぶしさを自覚することがあります。

咽頭結膜炎(プール熱)は、流行性角結膜炎より目の症状は軽く、1週間程度で治ることが多く、夏風邪として小児期に多くの人が感染しています。

流行性角結膜炎とは?

上でみたように、流行性角結膜炎(はやり目)は、重症化しやすいことがわかりました。

流行性角結膜炎は、非常に感染力が強く、はやり目の人が自分の目を触った手で物を触り、他の人がそれに触って目をこするなどすると、高確率で感染します。

タオルの共有などでも感染しますが、空気感染はしません。

残念なことに、アデノウイルスに効く薬はありません。

そのため、ウイルスへの抵抗力を高めるために、栄養補給と十分な休息が重要です。

他の感染を防ぐために、抗菌点眼(目薬)や炎症を抑えるための低濃度のステロイド点眼などで対症療法をします。

はやり目の場合、治るまでの期間の目安は、発病後7日~14日程度で治る場合が多いのですが、重症な場合や、十分に休息がとれていない場合などは、1カ月以上かかることもあります。

家族では、タオルは別々にし、お風呂は、感染者が最後に入り、こまめな手洗いを励行することで、さらなる感染に対応しましょう。

咽頭結膜炎とは?

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一方、咽頭結膜炎(プール熱)とは、夏風邪の一種とされており、夏にプールを介して流行することが多いため、プール熱と呼ばれています。

アデノウイルス感染症の中で最もかかってしまう確率が高い症状です。

ただし、はやり目とは異なり、空気感染でも移ります。

この点は、風邪と同じです。

症状としては、39~40℃の高熱が4~5日続き、のどの痛みが強く、鼻づまり、よだれが出たり、目が赤くなったりします。

中には、頭痛、吐き気、腹痛、下痢を伴うこともあります。

アデノウイルスに効く薬はないので、熱やのどの痛みを抑える薬を服用して、対症療法を行います。

予防には、やはりこまめな手洗いと、別々のタオルを使うことが重要です。

まとめ

  • アデノウイルス結膜炎には2種類ある(流行性角結膜炎と咽頭結膜炎)
  • 流行性角結膜炎(はやり目)は、感染力が強く、重症化しやすい
  • 咽頭結膜炎(プール目は)、プールで感染することが多く、比較的症状は軽い
  • 夏に感染することが多い
  • 予防には、タオルの共有を避け、こまめに手を洗うことが大切
  • 治療は、アデノウイルスに効く薬がないため、対症療法となる

プール目が、知らず知らずに夏風邪として感染している人が多いのに対して、はやり目は、目に傷跡や後遺症が残る可能性のある、比較的重症度の高い病気だと分かりました。

タオルなどを別々にする、手洗いをこまめにするなどの対策を万全にし、体力をしっかりつけて、まずは感染しないことが一番です。

もし、感染してしまったら、最初は風邪のような症状なので、なかなか気付いてあげることが難しい場合もありますが、よく観察して、見過ごさずに医療機関を受診することが何より大切です。

大事な目が傷つかないよう、感染には気を付けたいものです。

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